スカートを履いた運転手

今週フランスは猛暑に見舞われました。フランスに住んで13年。こんなに暑いと思ったことはありません。仕事の後のトラムでスマホの気温情報を見ると37度。ナントのトラムには空調設備などありません。暑ければ我慢するか、運がよければ小さな窓を開けるかしかないのです。

IMG_0408
日照時間が長いので、暑くなるとなかなか気温が下がらない。

普段、私は自分をドロマデール(dromadaire ラクダ)と呼ぶほど、水分を摂らなくても平気な方ですが、持参していたペットボトルの水はあっという間に空になりました。

お店でも冷房のあるところは稀です。暑かったので、極力出かけないようにしていましたが、冷房があったのはブルターニュ塔の向かいにある中央郵便局やスーパーのモノプリ、冷凍食品を扱うピカールなどでした。その他の店は、大きく窓やドアを開け放って風通しを良くして営業していました。

大学へ行っても、校舎のドアがどこも大きく開けられていて、事務の人のオフィスなども大きく開いたまま。私もドアを開けたまま、日本語の部屋でお昼を食べました。ドアを閉めたままだったら蒸し焼きになっていたに違いありません。

フランスの日照時間は今とても長く、夜は10時過ぎになっても電気なしで過ごせるほどに明るく、日も落ちません。これを書いている今、夜の9時ですが、空は青く、太陽が沈みつつありますが、まだとても明るいです。

IMG_0411

何と言ってもつらいのは夜です。我が家はベランダが唯一の窓で、そのベランダが非常階段に続いているので、開けっ放しで眠ることはできません。事実、作業のおじさんがこの階段を使って不意に昇ってくることもよくあります。扇風機も何もない閉め切った室内は寝苦しくて何度も目が覚めます。

火を使わない食事にしようと、特に暑かった間はサラダばかり。タブレ(taboulé)と呼ばれる細かい粒子の穀物を頻繁に食べました。トマトやキュウリなどの野菜と混ぜ、分量の水を入れると、粒子が水を吸ってやわらくなります。冷蔵庫に入れて冷たく冷やして食べるととても美味しく、暑い間は毎日これでもいいのではないかと思ったりもします。

IMG_0412
水を加えるだけで簡単にできるタブレ。ミントとレモンでさっぱりして美味しい。

街へ出ると、できる限りの薄着をした人が目立ちます。特に女性は若い人ならキャミソールにショートパンツ、年配の人も肩から胸元まで開放的なワンピースなど。男性は、学生くらいの世代だとバミューダパンツにTシャツにビーチサンダルといった感じですが、仕事をしているとそういうわけにもいかないようです。

新聞で少し話題になった写真ですが、ナントを走るバスやトラムの男性運転手たちが、車内が50度近くにもなるのにバーミューダパンツが認められないのはおかしいということで、スカートを履くことにしたのだそうです。ちなみに、この主張が認められ、短いズボンも認められることになったらしいのですが、確かにこの暑さで、冷房がない車内では長いズボンなど履いていられないことでしょう。

PO

それにしても、自分に合うサイズのスカートを一体どこで見つけてきたのかなと思います。温暖化で、将来的には気温が上がることも予想されるだけに、男性用のスカートがもっと普及してもいいのかもしれません。

1件のコメント

コメントを残す